山の上ホテル物語
常盤 新平

定価: ¥ 1,995
販売価格: ¥ 1,995
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発売日: 2002-09
発売元: 白水社
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神田駿河台の小高い丘の上に山の上ホテルが誕生したのは、1954(昭和29)年1月のことである。以来このホテルは作家など多くの文化人たちの常宿として、あるいは憩いの場としてずっと愛されつづけてきた。本書はそんな山の上ホテルの創業からの50年を、従業員へのインタビューも交えて描いたノンフィクションである。著者は翻訳家でもあり直木賞作家。自らもこのホテルに深い愛着を持っている。 山の上ホテルを語るときに、創業者である吉田俊男のエピソードは欠かせない。彼は経営者であると同時に、山の上ホテルそのものといってよかった。彼が目指したのはサービスと安心とが行き届いた良質な「小さなホテル」だった。「もし、人が他人に与へられる最高のものが誠意と真実であるなら、ホテルがお客様に差し上げられるものもそれ以外にはないはず」と吉田は記している。その理想を実現するために、吉田は従業員たちに多くを求めた。そのために辞める者が絶えなかったという。彼が求めたのは「誠実さ」に裏打ちされた職人気質だった。しかも、山の上ホテルの理想を実現するのにかなった職人気質である。著者はそれを「ホテル屋」という言葉で表現している。 インタビューや、吉田が残したメモ書きから浮かび上がってくるのは、頑固で職人肌で、生活に質実を求める男の姿であり、同時に食通で、ホテルの広告コピーをひねり出す文学者肌を持った男の姿だ。「良質のものは、いつも少ししかない」と著者は言う。読み終えたとき、読者はその言葉に頷くと同時に、その「良質」なるものにに触れてみたいと思うに違いないだろう。(文月 達)
これだから翻訳家上がりは・・・
ダイナースクラブの会員向け情報誌に連載中のときから読んでいましたが、この本の最大の問題点は、あまりにも聞き取り取材する際に出会った人が少ないことである。
だから情報誌連載中にも、このホテルを利用したアマチュア・スポーツ関係者が、常盤氏の書いた内容やデータが事実と違うということで抗議があり、次号でわざわざ訂正があったほどである。(勿論単行本では、この部分はきちんと訂正されていたが)
またこの本に登場している元社員で、山の上ホテルを吉田社長の命令で退職させられて、嫌々ながら名門のOホテルに転職させられたH氏の話だが、このエピソードは本人もきっぱり否定しておられるとの噂を聞いたことがある。
つまり山の上ホテルを辞めるのが嫌でH氏が大泣きしたという「山の上ホテル物語」の話は捏造で、Oホテルには自分の意思で転職を決めたと仰っていられるとのことである。
仮にもし山の上ホテルの話が事実でも、のちにホテル御三家のOホテルの副社長まで出世し、サービスの神様として著者多数のカリスマホテルマンのH氏の面目を潰すようなエピソードを出すのは如何なものか。(この本は内幕を暴露する本ではなく、あたりさわりのないどうでもいい話を、さも素敵なエピソードとして脚色してを、心あたたまるタッチで纏めたヨイショ本なのだから)
人間は誰でも記憶違いがあるから、こういう本を書く場合はきちんと常盤氏は資料を集めたり、多くのホテルマンやあらゆるジャンルの人に聞いて回れば、上記のようなデータミスや、書くことは控えるたほうが良い話を出さずに済んだと思う。
でも常盤氏はジャーナリストではなく翻訳家だから、こういう人に沢山会って取材するという作業は面倒だし、根本的に苦手なのかもしれない。
やはりこういうホテルの歴史の本は常盤氏のようなホテル業界の空気が読めない門外漢より、都内の各シティホテルに気配りが出来るホテルジャーナリストの冨田昭次氏の方が書いたほうが良かったと思う。
一度は泊まりたい
山の上ホテルと関わりのある作家達とそのエピソードの紹介から、創業者の故吉田俊男社長のことを、その部下だった関口氏、秋山氏らから聞き出して紹介する。山の上ホテルのサービスとは「ふるさとのなつかしさ」と「さっぱりした後味」だという。「山の上」ファンには欠かせない本。
神田界隈の通になれる本
~私の定宿です。山の上ホテルは、日本で一番サービスのいいホテルです。
私はここを基準に、いろいろなホテルのサービスを評価しています。
初々しいボーイさん、メイドさんたちに迎えられ(それもとっても礼儀正しい!)、部屋に着いた時のお茶の一服(旅館みたい)、おいしいジュース(これで病みつきになり、みなさん、帰ってからジューサーを買うらしい~~)、ルームサービスはどれも美味(作家が泊まり込むホテルなので、手抜きは一切なし)、朝の和定食のお粥も絶品・・・等々、書き尽くせない話題のホテルです。
そんな山の上ホテルを紹介した本ができました。詳しすぎるところもありますが、なんだか神田界隈の通になったようで、ワクワクしてくる本です。
地方に住んでいてよかったなぁ、と胸をはれる本で~~す。
本当のサービスとは何か、を知っている方にお薦めいたします。~